近年、少人数で葬儀を行う家族葬という選択肢が多くの方に支持されています。
従来の形式的な一般葬とは異なり、少人数だからこそ周りの目を気にせず故人との最後のひと時を過ごせるスタイルが特徴です。
しかし、家族葬にも遺族・参列者ともに独自のマナーをはじめ、配慮も重要となります。
そこで今回は家族葬のマナーについて
・家族葬の正しい服装とは!
・家族葬の香典はどうする?
・挨拶、失礼のない振る舞い方について!
・家族葬後の対応について
以上、4点に絞って紹介していきます。
家族葬の正しい服装とは!
家族葬の服装は遺族側・参列者側で大きな違いはありません。
しかし、役割や立場が異なる際は気を付けなければいけない部分も出てくるため、
遺族・参列者の立場で紹介したいと思います。
遺族側の服装
男女共に喪服(フォーマル)がベストです。
家族葬の主催者であり故人を送り出す立場の遺族側は、一般葬の時と同様に礼節を重んじた服装を着用します。
男性:礼服(黒) 白シャツ 黒ネクタイ 黒靴
女性:礼服(黒のワンピースやセパレード)
男の子(子ども):黒またはダーク系のスーツ、白シャツ、ダーク系のネクタイ(省略しても問題なし)
女の子(子ども):ダーク系の落ち着いたワンピース(できたらフリルや装飾が少ないものを選ぶ)
特に女性に多いのですが露出度の高い服装や、派手なアクセサリー着用は葬儀の場ではNGとなる為、注意が必要です。
また、絶対に礼服でなければいけないという事はなく遺族側が事前に平服での参列をお願いすれば、遺族もダーク系の控えめな装いでも許されます。
しかしはじめての事でよくわからない場合は、喪服にしておくと安心です。
参列者側の服装
参列者は遺族のように厳格な服装を求められる事はないため、ダーク系のビジネススーツでも特に問題ありません。
男性:黒や紺といったダークスーツ 白シャツ ダーク系のネクタイ(無地)
女性:ダーク系のワンピースやスーツ
男の子(子ども):遺族側と同様にダーク系のスーツ及びフォーマルなジャケット 白シャツ ダーク系のネクタイ(省略しても問題なし)
女の子(子ども):こちらも遺族側と同様にダーク系の落ち着いたワンピース(できたらフリルや装飾が少ないものを選ぶ)
上記で少し紹介したように、遺族側から平服で参列という指示がある場合がありますが、平服だからといってジーパンや派手な色の服装は避け、モノトーンでダーク系の服装を選ぶ事が大切です。
家族葬の香典はどうする?
そもそも香典とは通夜及び葬儀に参列する際、故人へお供えするものの代わりとして差し出すお金です。
しかし少人数で行う家族葬では、遺族側が香典を辞退するケースも多くみられます。
ここでは香典を受け取る、辞退する場合に分けて紹介します。
香典を受け取る場合
香典を受け取る場合は、参列者へ事前に連絡する事は不要です。通夜や葬儀当日に香典を受け取るための几帳台・香典袋の保管場所を用意します。
香典を辞退する場合
参列をお願いする際、「香典は辞退します。」というような文言をしっかり明記します。
万が一、香典が必要か分からない場合には遺族に直接確認するか受付で尋ねると安心です。
また香典を辞退されたとしても、ほかの形で何か送りたいと思われる方もいらっしゃると思います。
その際は、式場に飾るお花や菓子折りなど遺族の負担にならない品物を送る事もおすすめです。
香典に入れる金額の目安ですが、家族葬でも一般葬と同様に関係性に応じて価格は異なります。(約5千円~3万円程度)
しかし「家族葬だから少なくてもいい!」という考えは、不適切なので注意が必要です。
挨拶、失礼のない振る舞い方について!
家族葬に参列する際、遺族側に失礼のない挨拶、振る舞い方が重要になります。
ここでは、気を付けておくべき項目を紹介します。
挨拶
家族葬は、少人数でゆっくりとした時間を過ごしたい方に選ばれる事が多い為、
遺族との挨拶も短い言葉で丁寧に気持ちを伝える事が大切です。
(挨拶例)
・この度はご愁傷様です。
・心よりお悔やみを申し上げます。
またつい挨拶がてら故人との思い出を語りたくなりがちなのですが、そこも長話にならないように気を付けて、挨拶が済んだらフェイドアウトするように心がけると安心です。
失礼のない振る舞い方
規模が小さい家族葬は、基本的に遺族が参列してほしいと思われる方のみに招待の連絡がいく為、招待されていないにも関わらず参列する事は厳禁です。
もちろん招待されていないからといって、葬儀に全く携われないというわけではなく、手紙や供花といった別の方法で弔意を伝える事も出来ます。
また近年、参列する際に写真撮影をされる方も増えてきたのですが葬儀の場ではあまり写真を撮る事はよくないといわれています。
特に家族葬といった少数での葬儀は、外部に知られたくない遺族の方もいますので遺族に許可なく撮影するのはやめた方が無難です。
家族葬後の対応について
家族葬後の対応については、遺族側・参列者側と立場によって異なる為
ここでは、両方の立場に分けて紹介します。
遺族側の対応
・お礼の仕方
葬儀後、式場に参列者の方がいれば直接、感謝の気持ちを伝える事が一番なのですが
万が一、挨拶できなかった場合は後日、お礼状及び電話にてお礼を伝えます。
・香典返し
香典返しを辞退する場合もありますが、受け取った際は香典返しが必要です。
香典返しは一般的に四十九日が終わった後、挨拶状と共に返礼品を送る事になっています。
返礼品も、相手側の負担にならない気持ち程度の品物を選ぶ事をおすすめします。
・法要及び供養の案内
四十九日及び一周忌の法要を予定している際、家族葬に参列された方に参加をお願いした場合は、案内状を送ります。
参列者側の対応
・お礼の仕方
葬儀終了後、遺族の方と話せるタイミングがあればその時に直接お礼の言葉を伝えます。
「お招きいただきありがとうございました。」「ご冥福をお祈りしています。」など一言付け加えると非常に丁寧です。
またタイミングが合わない時には時期をみて、改めて手紙や電話で感謝の気持ちを伝えます。
ちなみに電話をする際は、葬儀直後ではなく葬儀か1~2週間程度、時間を空ける事が大切です。
・香典や供花を送る
家族葬では遺族側が香典を辞退する場合がありますので、遺族の意向を尊重する事が必要です。くれぐれも無理に渡す事がないように気を付けてください。
どうしても弔意をしたい場合に関しては、手紙で弔問を伝える・法要の際に贈り物をするといった方法もあります。
・供花や弔電を送る
家族葬に参列しない場合でも、供花や弔電は送る事が可能です。
しかしこれも遺族によっては断られる可能性がある為、送る前に確認をしてから送るようにすると安心です。
家族葬のマナーまとめ
家族葬は、最後の時間をごく限られた人数で見送るという小規模の葬儀です。
一般葬とは違い、自由に決める事ができる葬儀スタイルとなっているため、参列する方は、遺族の希望に沿って失礼のないようなマナーをきちんと守る事が重要です。
服装に関しては喪服が基本なのですが、これも遺族から指示があった場合はそれに従い、控えめで落ち着いた装いで参列する事を心がけましょう。
故人を偲び、それを支える遺族の気持ちを大事にする事こそが、家族葬における最大のマナーです。