葬儀社天国社によるスタッフブログ
十人十色の家族葬:庄野純平がよりそったご家族とのエピソード
2024.04.01
十人十色の家族葬
私(庄野純平)は、家族葬の葬祭ディレクターとして勤務しています。
学生時代のアルバイトの経験から接客業を志し、ホテル勤務を経て葬儀業界へ。
葬儀の運営を通じ、さまざまなご家族に懸命によりそうなかで、
ご家族よりいただける感謝やねぎらいのお言葉が何よりやりがいにつながっています。
この記事では、私が携わった印象に残る家族葬のエピソードをお話します。
プリンセスのバルーンアートでお見送り
まだ1歳くらいの女の子の家族葬を担当しました。ご両親もお若く、突然小さなわが子を見送ることになり、大変憔悴しておられるご様子でした。自身の家族構成と重なることから、何かしてあげられないかと思案していました。
小さな棺の前の祭壇が少しさびしいように感じたため、風船を使って可愛らしい装飾ができないかと考えました。
調べたところ、会館の近くにバルーンアーチストのアトリエがあることを知り、女のこが大好きだったディズニーのプリンセスキャラクターを何体か作ってもらいました。
納棺・出棺の朝、お父様が女の子を抱いてお見えになった時、祭壇を華やかにバルーンアートで飾ったサプライズ演出にとても喜んでいただけました。
すべては、ご家族に思い出に残るお見送りをしていただくため。突然のことに驚き悲しみに暮れるご家族によりそいながら、家族葬の準備を着実に進めるなかで、故人様が好きだったものなどの情報をさりげなく拾いかたちにすること。20年来の習慣になっています。
家族葬での感動的なエピソード:棺に入れられない愛着のある腕時計を再現し副葬品に
故人様は、かつて腕利の時計職人として活躍しておられたそうです。ご家族より、棺に故人がお作りになった腕時計を入れてあげたいとのご相談をいただきました。
しかし、火葬の規定より金属は入れることができません。ご家族にご了承いただいたものの、なんとか代わるものをご用意できないかと思いました。棺に入れられる素材でできた腕時計のオブジェのようなものを物色しましたが、よいものが見つかりませんでした。
そこで、当時、当社の生花部門が胡蝶蘭を飾るためのアタッチメントを3Dプリンタで創作しているのを思い出し、故人様が作られたご自慢の時計をさまざまな角度から撮影させていただき、これをもとに3Dプリンタで時計を製作することにしたのです。
いよいよご出棺の時を迎え、棺の蓋を閉める際に、製作した時計をお渡ししたところ、奥様に「お父さんの時計を持たせてくれてありがとう・・・」と涙ぐみながらお礼をいただきました。
福岡の葬祭業界で20年、家族葬を通じて感じたお客様の気持ちに寄り添う大切さ
お客様に心から喜んでいただきたい、よいお別れをしたいただきたいという思いが、常に心にあります。アルバイトも含めさまざまな接客業を経験し葬祭業界に入って20年近くになりますが、心からの感謝の言葉をいただけるのは、葬祭業ならではと思っています。
編集者情報:庄野純平(ショウノ ジュンペイ.)
葬儀業界に入り20年、以来、1000件を超える葬儀のディレクションを手がける。家族葬から大規模な一般葬まで、幅広いニーズに応えるカスタマイズされたサービスを提供し、故人の人生を尊重する心温まる葬儀を実現している。人生の最終章を飾る重要な役割を担うことに情熱を注ぎ、遺族と故人に寄り添うサービスを心掛けている。