葬儀社天国社によるスタッフブログ
十人十色の家族葬:鳥巣はるかが経験したさまざまな旅立ち
2024.04.18
十人十色の家族葬
私(鳥巣はるか)は、学生時代は落語研究会に在籍していたので、人前で話をすることには慣れていました。
親戚の葬儀が天国社の姪浜会館で行われたので、天国社のことは知っていました。
司会をするとして、盛り上げる結婚式か、厳かに旅立ちを見送る葬儀か、どちらが自分に向いているのか。
と考えてみて、葬儀が合っているかなと思いました。
入社後は、葬儀の施行担当としてさまざまな家族葬で経験を積み、早いもので3年目に突入しました。
この記事では、私が携わった忘れられない家族葬でのエピソードをお話します。
初めて担当した家族葬は、お客様に励まされて・・・。
入社後研修を終え、いよいよ葬儀施行を任せてもらえることになりました。でも、先輩の隣で見ていたのと自身がやるのとは大違い。
初仕事では、ご家族への葬儀段取り説明も気負いすぎて緊張のせいか、話すべき内容が頭の中から飛んでしまってうまく説明できずお客様にお詫びするしかありませんでした。落ち込む私をお客様は「自分たちのことは練習台でいいから」と寛大に励ましてくださいました。先輩のサポートを受けながら、なんとか初めての家族葬の施行をやり遂げました。
葬儀後、アフター担当がそのお客様を訪問した際「いろいろ反省点もあっただろうけど、担当の鳥巣さんに一生懸命やってくださってありがとう、と伝えてほしい」とのお言葉をいただき、もっと頑張ろうと決意を新たにしました。
まさか、よく知る友人を職場で見送ることになった思いがけない経験。
家族葬を中心にさまざまなご葬儀の施行に携わり業務にも慣れてきた2年目、思いがけない葬儀を担当しました。
ある日、同世代の女性のご遺体が搬送されてきたのですが、何とそれはよく知る友人でした。職場で友人の急逝を知り見送るという想定外の出来事に、ただただ驚き、ショックを受けました。
しかし、自分は何のために葬儀社に勤めているのか、プロとしてできることをすべきだ。と自分を奮い立たせ、
上司にぜひ担当させてほしいと願い出たところ、担当させてもらえることになりました。
旅立ちの空間をすべて友人の色に染めたいと、ご家族に提案したところ、「あなたの思うようにやってください。」と
快諾いただき、友人の好きな音楽をかけて、友人が描いた絵を展示したり、好物をそなえたりしました。
家族葬は円滑に進み、いよいよ出棺となりました。友人のお姉さんに「一緒に花を入れてもらえますか」と言われた時、それまで仕事である施行業務に集中していたものの、堪えていた涙がとめどなく溢れてきました。
家族葬施行のプロとしてあるまじきことでしたが、涙ながら声を振り絞りました。「ご出発です。」
葬儀後、友人のお母様に「友達として泣いて見送ってくれたことが嬉しかった」とのお言葉をいただきました。
当時は2年目で家族葬を一人で任されるようになり業務への慣れも感じていましたが、この思いがけない経験は、葬祭ディレクターとしてもっと成長したいと決意を新たにするきっかけとなりました。
故人様それぞれの人生があり、見送るご家族の想いがある。家族葬を施行する立場として、
もっとその想いに応えられるように精進していこう、と。
故人様との時間を濃密に過ごしていただけるような家族葬をお手伝いしたい。
お客様とご葬儀の計画をつくる見積り担当者から、故人様のご趣味や好物などの情報が引き継がれます。
家族葬の施行にあたって、故人様によい旅立ちをしていただけるようお好きだったお酒やおつまみなどの嗜好品をご用意してお供えすることが多いです。自宅から近い会館で行われたご葬儀を担当した際には、故人様の大好物等ということですき焼きと鯛の煮物を自分で作りお届けしました。何皿か用意した煮魚が好評で一皿はご家族に召し上がっていただきました。
今後もさまざまなユニークな家族葬を担当できたらと思っています。
一般葬の場合、会葬客の応対に追われてご家族がお疲れになってしまう様子をよくお見受けします。
ご家族が故人様とお別れする時間が十分にとれないことがとても心苦しく思います。
故人様との時間を濃密に過ごしていただけるような、もっとご家族にご納得ご満足いただけるような
家族葬の施行にこれからもつとめていきたいと思っています。
故人様とご家族の思い出を大切にした心に残る家族葬を
私が担当してきた家族葬は、どれも十人十色の思い出に彩られたものばかりでした。初めて担当した時のお客様に励まされたこと、友人を見送った悲しみと決意、故人様のご趣味を活かした演出へのこだわり。そのすべてが、私を葬祭ディレクターとして成長させてくれています。
家族葬は、故人様の人生とご家族の思い出が凝縮された、かけがえのないひと時です。その大切な時間を、心を込めてお手伝いすることが私の使命だと感じています。お客様お一人おひとりのお話に耳を傾け、故人様らしさが感じられる、ご家族の心に残る家族葬を提案していきたいと思います。
人生の旅立ちを、ご家族の想いに寄り添いながら見送ること。そんな温かな家族葬をお手伝いできることが、私のやりがいであり喜びです。これからも感謝の気持ちを忘れず、お客様に寄り添える葬祭ディレクターを目指して精進してまいります。
編集者情報:鳥巣はるか(トスハルカ)
2022年入社。3年目であるが、持ち前のひた向きさがフレッシュな印象を与えお客様の好感度も高い。
今後の抱負は、いずれは大きな葬儀を任せてもらえるようになりたい。
また、仏教式のご葬儀がほとんどだったので、ほかの宗教式にも対応できるように学んでいきたい。