葬儀社天国社によるスタッフブログ
福岡の家族葬:ご家族に話しかけられやすい存在であることが接客の理想です。
2024.06.14
十人十色の家族葬
入社して4年目になりました。葬儀業界に興味を持ったきっかけは、就活時に曽祖父や祖父などの葬儀に参列し、担当してくださった葬儀社の方も「気配りがすごいなぁ」と感心したことです。
葬儀社といえば、自宅から近く、幼馴染の家の葬儀にも使われていた天国社に馴染みがありました。ご葬儀は最初で最後、参列した人の印象にも残る、人生で一度きりの儀式。人生の最後に立ち会える仕事に挑戦してみたくて入社いたしました。
とても辛く忘れられない家族葬の施行。いまでは私を奮起させてくれるかけがえのない経験
入社して半年たった頃、3歳の女の子のご葬儀を担当しました。不慮の事故で愛娘を亡くされたご両親はまだまだお若く、こちらから声かけするのも遠慮してしまうほど、深い悲しみに暮れておられました。必要最小限お声がけするということしか気配りできず、何か力になれることはないかと察しながら施行を進めておりました。
するとお通夜がはじまる前、お父様がお子さまのことをぽつりぽつりと話してくださるようになりました。お子さまが気に入っておられた服やおもちゃなどをお持ちいただき、家族旅行の写真などたくさんの思い出を飾り、風船をあしらいました。
この家族葬では、ご両親にできるだけつらい葬儀の印象を持っていただかないよう気を配ることにしました。
納棺の儀式は後回しにして、お布団に寝かせたままご両親に寄り添っていただく。
読経は故人様ではなく祭壇の遺影に向かって。
火葬や棺といった言葉もできるだけ発しないようにしました。
いよいよご出棺となり火葬場へ向かうことになりました。
いつもはここでお見送りとなりますが、ご両親のことが心配で火葬場まで同行いたしました。
炉の扉が閉まる瞬間、ご両親は声をあげて号泣され悲しみに暮れました。
その後会館に戻ると、ご両親がわざわざ訪ねてこられ「おかげさまで悔いなく見送りができました。ありがとうございました」と丁寧なお礼のお言葉をいたいだきました。
入社して半年、「葬儀社の仕事がこんなにつらいものだとは・・・」と入社したことを少し後悔しましたが、お客様から直接お礼の言葉をいただき、「もっと頑張ろう」と前を向くことができました。
この経験はいまでも励みになっています。
施行途中に気づいた友人のお父様のご葬儀。お見送りできるご縁に精一杯の哀悼を込めて
通夜や葬儀を行わず火葬のみ行う直送の案件を担当しました。直送とは、お迎えに行き会館に安置しご納棺の後、ご出棺〜火葬という流れをお手伝いすることになります。
いつも通り施行対応していると、喪主様が私の友人で、故人様は友人のお父様であることに気づきました。経済的な事情で直送になったとのこと。何かできることはないだろうかと考えました。
急いで棺に入れるお花を手配し、また生前お好きだったお酒を用意し、お酒を花びらに浸してお父様のお口に含ませてもらいました。私個人としてのせめてもの哀悼です。1時間ほどお別れをしていただきご出棺となりました。
この仕事についていたからこそできた貴重なご縁を大切にすることができました。
これからも、もっと心のこもった接客を目指して
葬儀施行の際は、「何か、お客様の力になれたら・・・」といつも考えながら、喪主様やご家族様が話しかけやすいよう気を配りながら、近くで控えるようにしています。この先キャリアを積んでベテランになろうとも、形式ばった葬儀社スタッフと思われないように応対できたら、というのが私の理想です。
編集者情報:荒木優香(アラキユウカ)
2021年入社。
気の遣われ方にも好みがあり空気を読みすぎてもうまくいかない。お客様と接するたび、接客は奥が深いなぁと思い日々精進しています。悔いのないお見送りをしていただけるよう精一杯お手伝いいたします。