先日、20年来の付き合いのあった知人が亡くなりました。勤務中に、訃報の電話を受けました。あまりに突然の事だったので、今いち実感もなく、比較的冷静でした。「日頃から、人の死に接しているからかな?」など考えながら、その晩遅く、久留米の葬儀社まで駆けつけました。・・・が、やはり式場に入ると、全く違いました。式場に入りいつもの笑顔の遺影写真を見た途端に、泣き崩れてしまいました。学生時代に知り合い、年に数回会うだけでしたが、僕の人生に多大な影響を与えてくれた方でした。彼との出会いが無かったら、今の自分は無かったと思います。  
 そんな彼が、数年前に、「僕もいい歳になったから、モンブランの万年筆を買ったんだ。だから、これを広田君にあげるよ。」と言って、譲ってくれたCROSSのボールペン・・・・・。今では、形見となってしまいました。恐らく僕は、このボールペンを、一生持ち続けると思います。そして、このボールペンを使う度に、彼への感謝の気持ち、葬儀に携わる責任・思いを、思い出す事になると思います。そして、いつか、彼に認めてもらえるような人間になった時、そんないい歳になった時に、モンブランの万年筆を買いたいと思いました。
 最後になりましたが、Tさんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。そして、ありがとうございました。   姪浜会館 広田博昭