葬儀社天国社によるスタッフブログ

img009ajisai 梅雨真っ只中の蒸した日が続きます。雨は降るのですが、熱く焼けたアスファルトから立ちのぼる熱気でまとわりつく汗にうんざり・・・な日々を送っています。どうもすっきりしないのは、私の気持ちなのかもしれません。

先日お休みをいただいて、娘を連れて心のクリニックへ行ってきました。心療内科と言わず精神科と言わず、最近では心のケアをするクリニックが増えて来ました。アメリカではメンタルなケアをするドクターにかかっていることはステイタスだとされていましたが、日本ではまだなかなかそういう受け取られ方はないような気がします。中学2年生の娘になるべく抵抗のないような名前の病院を探し、娘には、いろいろ話を聞いてくれる先生のところへ行こうと言いました。   娘が唇を咬むようになってもうだいぶん経つのですが、最近ますますそれが酷く、ご飯を作っても痛い・・・と食べられなくなってきていたからですが、見ると、うわ・・と声が漏れるほど酷く腫れあがっていました。

何回も食い破った唇の内側は、みっつに分かれて肉が盛り上がり、血が滲んでいましたし、治りかけのところは白く浮き上がっていましたし、治ったところは黄色くかさぶたになっていました。口の中なのに、火山のようでした。それを見たとき決めました。もう行こう。心のケアをしてくれる病院に行ってみよう。

夜寝るとき、悔しくて涙が止まりませんでした。とても悔しい。娘は本当は学校へ行きたい。でも行けば冷たい同級生の心無い言葉に傷つく。先生は来なさいと言う。家まで迎えに来てくれるから行くんだと言う。行きたい行きたい学校へ行きたいと思う気持ちは娘の中で葛藤となり、気付かないうちに自分を傷つけてしまうようになりました。

口をふさげば噛んでしまうからと棒きれのようなものをくわえている娘を見て、助けて・・・と思いました。天国社に入って私はたくさんの学生さんや若い方の悲しい別れを知るようになりました。出棺のとき、こみあげる涙は、自分の無力さを呪う親御さんの気持ちと自分自身の気持ちが重なってしまうからです。どうしたら子供を守ってあげれるのか、過保護になってもいけない、手をはなしてもいけない、傷ついた娘の前で弱気になってもいけない、もちろん涙は見せれない。登校拒否とひとことでくくれない問題が、今私の家にあります。

人間には忘れるという都合のいい機能が備わっていると、実家の母がいつも言っております。私はその機能をフルに生かし、辛い経験はすっかり忘れるという芸当ができるようになっています。クリニックの先生から私にも2,3質問がありましたが、本当に思い出せない娘の父親のエピソードがありました。本当に覚えていないのです。ただ辛かったとしかわかりません。娘は今いじめの真っ只中ですから、全て忘れるのは無理だと思います。でも、そんな辛い思いもいつまでもずるずると引きずって生きて行くわけではないんだよとだけ、忘れるんだから大丈夫と言いました。

的の得たアドバイスをしてあげることはできませんが、いつまでも娘の一番の友達でありたいと思っております。

娘と、手をつないで生きていきたいのです。

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福岡会館 仏壇/生花部 和田律子