葬儀社天国社によるスタッフブログ
こういう親でありたい
2014.06.04
お葬式の天国社(天国日記)
ある親子がいました。
お父さんと息子です。
その家は、非常に貧乏で
家には息子が生まれたときからずっと
トラック1台しか車がありませんでした。
しかし、お父さんがようやく儲けだして
乗用車を家に買って帰ってきた。
息子は嬉しくてたまらない。
これまで馬鹿にしていた友達を見返してやる
車を友達に見せびらかしたい。
そう思って彼はお父さんに頼みました。
「お父さん、車貸して?
友達の家に遊びに行ってくる」
「おおっ、いいぞ。
乗っていけ」
お父さんは
買ったばかりの乗用車の鍵を投げた。
キーホルダーさえ新品だ。
息子はそれを受け取り、急いで車のところへ走っていきエンジンをかけた。
アクセルをふかすと、トラックとは全然違う
静かだ。
そして、この匂い。
シートだってふかふか。
やっぱり乗用車はいいなあ。
さあ、これから街に行って
友人たちに車を見せびらかしてやる。
驚き、そして、うらやむ友人たちの顔が
目に浮かぶ。
よし行くぞ!
「ん、あれっ
ズボンのポケットに財布が入ってない」
慌てて部屋を飛び出したから
机の上に免許証を入れた財布を忘れてきた。
慌てて車を降りて部屋へ財布をとりに戻った
やっぱりここに置いたままだった。
茶色の折りたたみ財布を握って
車に戻ろうとしたそのとき!
「あっ!サイドブレーキ……」
車をとめていたのは坂道で
下には川が流れている。
だんだんと胸の鼓動が大きくなる。
走って車へ戻ってみると
とめたはずの車がない。
「ウソだろ!」
急いで川のほうへ走って行った。
ソーッと下をのぞくと
ヘッドライトだけを、かろうじて見せて
車はちょうど川に沈んでいくところだった。
息子はそこに荘然と立ちすくんだ。
どうしよう。
車を川に落としてしまった。
お父さんが頑張って仕事をし
ようやく買った乗用車を
川に落としてしまった。
お父さんになんて言おう。
逃げ出したい。
でも、やっぱり知らん顔はできない。
息子は肩を落とし
家のリビングに入っていった。
部屋で、お父さんは
お気に入りの茶色のソファに座り
新聞を広げて読んでいた。
息子はお父さんに言い出せず
部屋の中をウロウロしはじめる。
そんな息子にお父さんは声をかける。
「まだ行かなくていいのか?」
「うん。ちょっと」
「そうか」
息子は、また部屋の中をウロウロし出す。
そしてまたお父さんは息子に声をかけた。
「大丈夫なのか。まだ行かなくて」
息子は足が止まった。
顔を真っ赤にして叫んだ。
「お父さん……お父さん
車が川に……ごめんなさい」
何が起こったのかを悟ったお父さんは
新聞を持つ手がブルブルと震えた。
でも、息子にかけた言葉は、こうだった。
「そうか。
仕方がないじゃないか。
トラックに乗って行け」
そう言って
お父さんはトラックの鍵を投げた。
キーホルダーは汚れている。
息子はそれを受け取り、町へ向かう。
しかし、途中で涙が溢れて止まらない。
この話を聞いたとき
自分がこのお父さんだったら
どうしただろうか?
このお父さんのように
振る舞えただろうか?
と考えました。
きっと、大声で怒鳴ったと思います。
息子を許せなかっただろうと思います。
このエピソードは
クリス・ウォレスさんの体験です。
父親は
どうして息子を怒らなかったのでしょうか。
お父さんは息子に
「おまえはもう、もう充分悪いことをしたとわかっていたじゃないか。
それ以上、私が何を言う必要があるんだ」
と笑って答えました。
伊都会館 岡でした
お父さんと息子です。
その家は、非常に貧乏で
家には息子が生まれたときからずっと
トラック1台しか車がありませんでした。
しかし、お父さんがようやく儲けだして
乗用車を家に買って帰ってきた。
息子は嬉しくてたまらない。
これまで馬鹿にしていた友達を見返してやる
車を友達に見せびらかしたい。
そう思って彼はお父さんに頼みました。
「お父さん、車貸して?
友達の家に遊びに行ってくる」
「おおっ、いいぞ。
乗っていけ」
お父さんは
買ったばかりの乗用車の鍵を投げた。
キーホルダーさえ新品だ。
息子はそれを受け取り、急いで車のところへ走っていきエンジンをかけた。
アクセルをふかすと、トラックとは全然違う
静かだ。
そして、この匂い。
シートだってふかふか。
やっぱり乗用車はいいなあ。
さあ、これから街に行って
友人たちに車を見せびらかしてやる。
驚き、そして、うらやむ友人たちの顔が
目に浮かぶ。
よし行くぞ!
「ん、あれっ
ズボンのポケットに財布が入ってない」
慌てて部屋を飛び出したから
机の上に免許証を入れた財布を忘れてきた。
慌てて車を降りて部屋へ財布をとりに戻った
やっぱりここに置いたままだった。
茶色の折りたたみ財布を握って
車に戻ろうとしたそのとき!
「あっ!サイドブレーキ……」
車をとめていたのは坂道で
下には川が流れている。
だんだんと胸の鼓動が大きくなる。
走って車へ戻ってみると
とめたはずの車がない。
「ウソだろ!」
急いで川のほうへ走って行った。
ソーッと下をのぞくと
ヘッドライトだけを、かろうじて見せて
車はちょうど川に沈んでいくところだった。
息子はそこに荘然と立ちすくんだ。
どうしよう。
車を川に落としてしまった。
お父さんが頑張って仕事をし
ようやく買った乗用車を
川に落としてしまった。
お父さんになんて言おう。
逃げ出したい。
でも、やっぱり知らん顔はできない。
息子は肩を落とし
家のリビングに入っていった。
部屋で、お父さんは
お気に入りの茶色のソファに座り
新聞を広げて読んでいた。
息子はお父さんに言い出せず
部屋の中をウロウロしはじめる。
そんな息子にお父さんは声をかける。
「まだ行かなくていいのか?」
「うん。ちょっと」
「そうか」
息子は、また部屋の中をウロウロし出す。
そしてまたお父さんは息子に声をかけた。
「大丈夫なのか。まだ行かなくて」
息子は足が止まった。
顔を真っ赤にして叫んだ。
「お父さん……お父さん
車が川に……ごめんなさい」
何が起こったのかを悟ったお父さんは
新聞を持つ手がブルブルと震えた。
でも、息子にかけた言葉は、こうだった。
「そうか。
仕方がないじゃないか。
トラックに乗って行け」
そう言って
お父さんはトラックの鍵を投げた。
キーホルダーは汚れている。
息子はそれを受け取り、町へ向かう。
しかし、途中で涙が溢れて止まらない。
この話を聞いたとき
自分がこのお父さんだったら
どうしただろうか?
このお父さんのように
振る舞えただろうか?
と考えました。
きっと、大声で怒鳴ったと思います。
息子を許せなかっただろうと思います。
このエピソードは
クリス・ウォレスさんの体験です。
父親は
どうして息子を怒らなかったのでしょうか。
お父さんは息子に
「おまえはもう、もう充分悪いことをしたとわかっていたじゃないか。
それ以上、私が何を言う必要があるんだ」
と笑って答えました。
伊都会館 岡でした